相続登記等の義務化について

不動産登記法の改正により,令和6年4月1日から,不動産の所有者が亡くなった際の,名義変更手続き(相続を原因とする所有権移転登記の申請)が義務化されることになりました。

また,令和8年4月1日より,不動産の所有者が住所や氏名を変更した際の,登記名義人表示変更手続き(住所・氏名の変更を原因とする変更登記の申請)の義務化も決定しています。

この登記義務化には,それぞれに罰則規定が設けられているのでご注意ください。

正当な理由なく登記の申請を怠った場合,「相続登記」は10万円以下,「住所・氏名の変更登記」は5万円以下の過料の対象となります。


当事務所においても,登記の義務化にともない,相続登記に関する相談が増加傾向にあります。

また例年に比べると,複雑な相続の事案が目立つようになりました。

たとえば,土地の名義が,江戸時代生まれの先祖の名義のままになっている事案,土地の相続手続きで相続人が100名以上発覚する事案,大昔の抵当権の抹消のために裁判を要する事案,相続人が行方不明になっていたり,認知症を発症しているケースなどで,家庭裁判所で成年後見人や不在者財産管理人を選任してもらわなければ、そもそも遺産分割協議そのものができないといった事案などです。

このように,相続手続きは,放置すればするほど複雑化してしまいますので,相続手続きが未了の方は可能な限り,早めに対処するようにしましょう。